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雨水を過ぎた2月20日、早春の気配がほのかに漂う日野の町を、同窓会中部支部の38名で訪れました。私たちは二班に分かれ、地元の観光ガイドの皆さまに丁寧な案内をしていただきながら、午前中いっぱい町歩きを楽しみました。
まず足を運んだ日野まちかど感応館を起点に、商人屋敷が連なるどこか懐かしい町並みを進みます。家々の軒先や窓辺には、愛らしいお雛さまがそっと微笑み、訪れた私たちを温かく迎えてくれていました。
大窪から村井にかけての一帯では、全国でも珍しい桟敷窓や格子越しに、百軒を超える家々が自宅のお雛さまを公開しています。八代将軍徳川吉宗から贈られたと伝わる享保雛をはじめ、これまで目にする機会のなかった貴重な雛人形が次々と現れ、参加者からは感嘆の声が上がりました。
続いて訪れた日野商人館では、長さ十二メートルにも及ぶ壮麗なひな壇が目を引きました。所狭しと並ぶお雛さまが織りなす華やかな光景は圧巻で、埼玉県鴻巣市でのみ作られる鴻巣雛の展示もあり、かつて関東で活躍した日野商人たちが故郷へ持ち帰った品々であったことを偲ばせます。
その後、日野商人の歴史をたどる散策へと歩みを進めました。清水町に残る商人屋敷、日野鉄砲の試し撃ちに用いられた玉受け山、蒲生家の菩提寺である信楽院の大天井に描かれた高田敬輔筆の龍など、日野の歴史と文化を物語る名所を巡りました。綿向神社では静寂に包まれた境内に身を置き、早春の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みました。
旅の締めくくりは、旧山中正吉邸の座敷庭園を眺めながらいただく、手作りにこだわったひな祭り御膳です。名物の鯛そうめんをはじめ、季節の味わい豊かな料理に舌鼓を打ち、心も体も満たされるひとときとなりました。帰路では、江戸時代から百七十年続く老舗菓子店に立ち寄り、家族への土産を選ぶ楽しみも添えられました。
春の訪れを告げる日野の町で、歴史と文化に触れ、笑顔あふれる充実した一日を過ごすことができました。
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