活動の基本方針…!!

同窓会創立40周年記念事業の実施年度を意識しよう

人口が減少し高齢化が進行すると、これまでの多くの既存の仕組みの維持が困難な時代が訪れ、組織の機能の低下が現れてきます。その一つの現象として地域に存在していた、講・結・座・隣組・青年団・婦人会・老人会・小路・仏事等々の伝統的社会秩序が消え去り、これらが地域社会や人々の日常生活に、やすらぎをもたらすことに果たしてきた大切な機能が失われ、地域住民の運命共同体意識が希薄となり、地域社会の維持運営を難しくする姿となって表面化しています。

さらに地域が営々として守り続けてきた、暖かな風土としての伝統文化や民俗行事の承継が、多方面にわたって行き詰まっています。その典型として地方では比較的古来の風習を、今に色濃く保っていましたが、昨今急速に崩壊の道を辿り始めてきたことにより、祭礼や仏事など日常生活に趣きと潤いをもたらしていた、習わしの継承の困難さが目立ってきました。

科学技術がより高度に発展し、科学万能の世相と伝統的民俗行事の持つ、奥深い意味合い理解の曖昧さが目立って、若い世代の郷土愛の薄らぎが進むに至り、民俗行事本来の働きである、「つながり・やすらぎ・ほこり・うるおい」を見出せずに、地域力全般の衰えが見えています。新型コロナ感染症の蔓延襲来は、それらの現象にさらなる拍車をかけました。私たち滋賀県レイカディア大学同窓会活動も、少なからず影響を受けてしまいました。

さて令和3年度を迎えるに当たって、同窓会長として任期2年の最終年度に臨んで、「変動・不確実・複雑・曖昧」をキーワードとして、滋賀県レイカディア大学のあり方や、同窓会のあるべき姿に思いを致し、「ひねもすのたりのたりと日だまりに憩いながら」、凡夫の雑念から行く末を、一つのロジックに照らして探ってみました。


一、令和の時代に必要ものは、「価値観とトライアル&エラー」と言われています。

★「試みて気づけ」と言いますが、「答えがないというのが答え」と言う時代には、同窓会員が大切にする価値観をしっかりと設定すること、その価値観に基づき進むべき方向を、公議公論によって決めること、一定の結論に基づき方針を立て、事業計画で果敢にチャレンジすること、実践結果と効果をスピーディーに検証して、それによって気づいた間違いを、惑うことなく修正すること、そして別の仮説を用意して、変化に対応すること、この様に「トライアル&エラー」を繰り返し、次第にあるべき姿に近づけていくことが大切です。


二、滋賀県レイカディア大学同窓会の運営は、「持続可能性と多様性」に照らしてみよう。

★持続可能性については、方針や理念は小手先に走らず、SDGsを考慮しながら既存の秩序を持続可能性なものに組みなおす、勇気と英断を持っているのか、持続可能な予算計画および運営の仕組となっているのか、私たち同窓会員の働きかけが持続可能なものなのか、改革は中期的(5年)、長期的(10年)視野に立ってなされているのか。

★多様性については、多数派重視から少数派をも包み込んだもので、同窓会員の背景「年齢較差・移住者・外国人・仕事・経済状況・障がい・難病・引きこもり」等々、会員の価値観の多様性・個別化に対応し、その先にあるイノベーションに取り組んでいるのか。


三、滋賀県レイカディア大学および同窓会の充実と発展は、「共創感覚」を養って成し得たいものです。

★共創感覚とは、当局(滋賀県・県社協・大学)のみで、山積する課題を解決するよりも、サポートの会・えにしの会・同窓会・同窓生・地方自治体・地域住民などが、同列の主体として課題にアプローチし、当局の役割は優れたコーディネーターであることが望ましく、人的、資金的、ノウハウ的にも、シェアリングすることが、よりよい結果を生み出し得るのではないのか。


四、組織のオピニオンリーダーが大切にして欲しい信念は、「立場の保全よりも、具体的方策」でしょう。

★立場より方策とは、社協や大学、系統外郭諸団体の対面保守にこだわって、あるべき姿が見えなくなってはいけないのであって、体制づくりは争点型のものではなく、性別に偏らず多様な人材に活躍してもらうことが大切です。「勘・経験・思い込み」に依存した議論から離れて、ビッグデータやエビデンスを基にした、IT時代の胎動を意識した議論にシフトしたいものです。

五、同窓会役員が大切にして欲しい大局観は、「三密」を大事にすることです。

★「三密」重視大局観とは、すべての取り組みが将来にわたって、「同窓会の新しい体質や風土」となり得るものなのかの、問いの上に立ちながらコロナ禍中では、いわゆる「3密」が敬遠されましたが、私たち同窓会員は以下の「三密」を大事にしたいものです。それは①会員は「親密」に、②活動は「緻密」に、③連携は「綿密」にです。


★社協や大学の大局観とは、教義・校風・カリキュラムが時代にそぐわないとの声が、世間に漂っているとするならば、時代が変われば指導者階層・社会のニーズ・運営方針もいずれは変わるもの、しかし生涯学習を目指す、シニアの欲求と営みの存在は変わることがないので、大学の「新しい課程・校風」づくりに向かって、『レイカディア御三家』と称され親しんでいる、大学の外郭三団体(同窓会・サポートの会・えにしの会)と、より親近感を持って協働していくことが大切であると思います。


★令和3年度は、同窓会創立40周年記念を冠した事業を、通期展開していきたい思いを込めて、活動の基本方針と致します。

                                         滋賀県レイカディア大学同窓会
                                            会長   堀江 勇夫
                                            (令和3年5月21日 掲載)